拡大《無題》

古賀春江

《無題》

1921年頃  油彩・カンヴァス

初期の古賀春江は、自身の感性を表現しやすいという考えから、即興性のある描写が可能な水彩画を好んで描いていましたが、二科展に1918(大正7)年から4年連続で落選するなど、表現や材質について見直さざるを得ない創作時期にありました。大正10年代になると、自分の進むべき道を模索しながら、油彩画制作に本格的に取り組み、この作品のような抽象画も描かれました。当時の洋画壇に旋風を巻き起こした未来派、キュビスムの表現が取り入れられ、対象がダイナミックに分解されていますが、どことなく古賀らしい温かみのある情趣を醸し出しています。

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《無題》