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土曜講座 地中海学会連続講演会Vol.2「蘇生する古代」 第1回「古代ローマとギリシア美術」
2022.10.04
地中海学会連続講演会Vol.2「蘇生する古代」(全4回)の第1回は、芳賀京子氏(東京大学大学院人文社会系研究科教授)をお迎えし、「古代ローマとギリシア美術」というテーマでご講演いただきました。
西洋における古代は、古典あるいは規範として独特の価値を持ち、中世キリスト教時代にも、ルネサンス時代にも、19世紀にも、さまざまな形で「蘇生」しています。その事象は、古代においても既に、古代ローマ人がギリシア美術を教養として学び、そのオリジナルやコピーをもととは異なるコンテクストに置いて楽しんだ姿に見ることができます。
軍事的にはギリシアを征服した古代ローマ人が、ギリシア美術を優れたものとみなして憧れ、いかにして自分たちのものとして再生していったのか。その様相を、1.美術品の略奪、2.芸術家の移動、3.美術品の購入、4.名作のコピーの購入、という4つの側面から紐解いていただきました。
ともすると「古代ギリシア・ローマ美術」とひとくくりに考えてしまいがちですが、古代ローマ人の知性、熱意や欲望、そして技術力など、その眼差しや趣向のもつ独自性や魅力を具体的な作例とともに改めて味わうひとときとなりました。
[アーティゾン美術館教育普及部学芸員K.H.]