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「青木×坂本展」土曜講座第1回 ふたりの「繁」が作り出した美術の世界
2022.09.21
9月10日(土)に、美術家の森村泰昌さんを講師にお迎えし、開催中の「青木×坂本展」の土曜講座第1回を開催しました。
冒頭、青木繁の作品と坂本繁二郎の作品とを音楽に例え、モーツァルトの「レクイエム」とともに青木作品を、フォーレの「レクイエム」とともに坂本作品を、それぞれ映像にまとめたものが映写されました。森村さんは、タイプの異なる青木と坂本について、青木を「動、早熟」、坂本を「静、晩成」と分析します。そして明治が時代背景の、司馬遼太郎著『坂の上の雲』(1969年刊)の登場人物、秋山好古、秋山真之、正岡子規、夏目漱石
の人間模様を通して、青木と坂本が生きた明治がどのような時代だったのかについて紹介されました。
『坂の上の雲』にも登場する夏目漱石は『それから』(1909年刊)の中で、青木繁《わだつみのいろこの宮》(1907年)について言及しています。また夏目漱石は、1912年の第6回文展に出品された坂本繁二郎《うすれ日》(1912年)について、評価する美術評を残しています。
青木と坂本が生きた明治の時代性と、同時代に活躍した人物の相関図に焦点をあてることで、本展鑑賞の幅が広がるお話でした。[ATZ学芸員Y.E]