描かれたチャイナドレスー藤島武二から梅原龍三郎まで

2014年4月26日[土] - 7月21日[月]

概要

1910年代から40年代までの、日本人洋画家による中国服女性像を集めた企画。中国は、有史以来の日本がつねに仰ぎ見てきた先進大国であり、日本は政治制度・仏教・儒教・文学・美術にいたるまで数多くのものを中国から学び取ってきた。1890年代の日清戦争での日本の勝利によって、初めてその構図が崩れてくる。さらに1912年の清朝崩壊によって様々な文物が日本に流入し、大正期に新たな中国趣味が湧き起こってきた。谷崎潤一郎や芥川龍之介が中国を題材にした文学作品を次々に発表する。それらに呼応するように、油彩画の分野でも中国ブームがあらわれた。1915年の藤島武二作品を嚆矢として、1940年代の梅原龍三郎が北京で描いた連作まで、様々な中国服女性像が描かれた。興味深いのは、ヨーロッパで学んだ画家たちが、中国服を着た日本人女性を日本で描いている作品が目につくことである。政治的・軍事的に中国を凌駕したという自負と、中国文化への強い憧憬が混ざりあい、日本のオリエンタリズムともいうべき様相が出現している。明治初年から日本の洋画家たちは、何を描くべきかという課題に取り組んできたのだが、その一つの帰結がこれらの作品にあらわれている。

*テーマ展示  *会場:第1-2室

開催概要

展覧会名

描かれたチャイナドレスー藤島武二から梅原龍三郎まで

会期

2014年4月26日[土] - 7月21日[月]

主催

石橋財団ブリヂストン美術館

会場

ブリヂストン美術館
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