拡大《赤い鬼》

菅井汲

《赤い鬼》

1954年  油彩・カンヴァス

©K.SUGAI & JASPAR, Tokyo, 2023 C4251

菅井汲は、1952(昭和27)年にフランスに渡り、当地の抽象画の影響を受けつつ、自らの日本画の技量も織り交ぜた作品を発表し、次第にパリの美術界で高い評価を与えられるようになりました。この作品では、日本古来の神話に登場する鬼や獣などのイメージを原始的で素朴な形象で、かつ詩的に表すことを試みています。地には塗壁のようなマティエールを持たせ、単純な形象が発する神話的イメージを、土俗的ながらもひょうきんに描き出しています。日本人としてのアイデンティティを作品に込め、同時代の抽象絵画の潮流と合致した、滞欧初期を代表する作品です。

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《赤い鬼》