拡大《雪の発電所》

岡鹿之助

《雪の発電所》

1956年  油彩・カンヴァス

岡鹿之助が描いた風景の多くはアトリエの中でつくり上げられた架空の情景でしたが、この雪景色のきっかけは珍しく実在のものです。1956(昭和31)年2月に主治医の米山弥平博士に連れられて、志賀高原西麓にある中部電力平穏第一発電所を岡は訪れます。今も現役の水路式水力発電所です。空想の中にあった風景と同じだったので岡は驚いたと伝えられます。しかし、その年5月の展覧会に出品されるまで、画面は手前の平地を水平に持ち上げたり、水圧鉄管の位置をずらしたり、電柱の数を調整したり、様々な造形上の工夫が施されました。

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《雪の発電所》