拡大《自画像》

青木繁

《自画像》

1903年  油彩・カンヴァス

青木繁はいくつもの印象的な自画像を描き残しています。青木は作品ごとに描く方向性をまず考え抜いてから制作に取り掛かるところがあり、油彩や鉛筆による様々な自画像はどれも表現が異なり、大きな振幅を持っています。この自画像では、暗い背景に半身になって、こちらを鋭く見つめる自身を浮かび上がらせています。よく見ると背景には不定型な形がいくつも見えますが、これは当時の下宿の金唐草模様だったと伝えられています。魔物のような暗い情念を塗り込めたこの自画像は、青木の心の在処を私たちに教えてくれます。

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《自画像》