拡大《山幸彦》

小杉未醒(放庵、放菴)

《山幸彦》

1917年  油彩・カンヴァス

小杉未醒は洋画家五百城文哉に絵を学び、1899(明治32)年不同舎へ入門しました。未醒は、飲酒の酔いから未だ醒めないという意に由来する号です。1913(大正2)年ヨーロッパを巡遊、翌年、日本美術院の再興に参加しました。再興第4回院展へ出品されたこの作品には神話の一場面が描かれています。平坦な人物表現に奥行きの排除された背景、象徴主義の先駆けとなるフランスの画家ピュヴィス・ド・シャヴァンヌを想起させる装飾的な画面は、小杉の渡欧を支援した銀行家渡辺六郎の依頼で壁画として制作されました。この大きさのカンヴァスを用意するのは容易ではなかったと画家自身が当時述べています。

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《山幸彦》