展覧会概要

Paris -Tokyo Chefs-d’œuvre du Bridgestone Museum of Art, Collection Ishibashi Foundation
ブリヂストン美術館の名品-石橋財団コレクション

石橋財団は、オルセー美術館およびオランジュリー美術館との共催で、2017年4月5日〜8月21日まで、オランジュリー美術館にて「ブリヂストン美術館の名品-石橋財団コレクション」展を開催する運びとなりました。本展では、ブリヂストン美術館の建替え休館を機に、ルノワール、セザンヌ、ピカソ、ポロック、青木繁をはじめとする石橋財団コレクションの代表的な作品76点が約4ヶ月間、パリのオランジュリー美術館で一堂に会します。
展覧会の焦点の一つは、日本の歴史を背景として、作品と所蔵家との永続的な関係におかれます。それは、来場者へ様々な文脈を提供することになるでしょう。
さらに、オランジュリー美術館で本展を開催することで、ブリヂストン美術館とオランジュリー美術館が鏡面のような類似性を示すことになるでしょう。
フランスにおいて、日本美術が印象派に与えた影響はよく知られています。しかし、逆に印象派が日本の美術に与えた影響についてはあまり知られていません。実は多くの日本の芸術家たちがその影響を受けているのです。また、林忠正、大原孫三郎、松方幸次郎のような日本人の印象派の収集家も存在しました。そして彼らのコレクションが日本の美術館における西洋美術の展覧会の中核をなしているのです。当館のコレクションと石橋正二郎の足跡もこの歴史の中に刻まれています。

展覧会の詳細は、オランジュリー美術館のホームページをご覧下さい。
公式サイトはこちら

  • 展覧会タイトル:
    ブリヂストン美術館の名品-石橋財団コレクション
  • 会期:
    2017年4月5日(水)〜 8月21日(月)
  • 会場:
    オランジュリー美術館(パリ)
  • 作品点数:
    76点
  • 監修:
    オランジュリー美術館学芸員 セシル・ジラルドー
    ブリヂストン美術館 学芸課長 新畑泰秀
    ブリヂストン美術館 学芸員 賀川恭子
  • 主催:
    オルセー美術館、オランジュリー美術館、公益財団法人石橋財団
  • 協力:
    日本経済新聞社
  • 特別助成:
    株式会社ブリヂストン
  • 協力:
    日本航空

展覧会開催に向けて

オルセー美術館・オランジュリー美術館
館長 ローランス・デ・カール

フランスと日本の外交関係は2018年に160周年を迎えますが、来春、オランジュリー美術館において、東京ブリヂストン美術館所蔵の石橋財団コレクションの名品を迎え、特別展を開催することを大変光栄に存じます。オランジュリー美術館の建物は第2帝政期の建築ですが、まさにこの時期に、2カ国間に新たな外交関係が築かれ、非常に豊かな文化交流が生まれました。
ブリヂストン美術館のコレクションは、この2カ国の文化をつなぐ何本もの架け橋を象徴しています。この中には、西洋世界がジャポニスムと呼ぶものが、大きな位置を占めています。しかし、日本とフランスがお互いの文化に魅力を感じる様は、同様に、日本の近代の芸術家の作品にも見て取れます。これは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、日本と西洋美術とが直接触れ合う機会があったことの証左であります。特に、思い浮かぶのは、19世紀末にすでにパリに暮らす日本人芸術家がいたことです。そのうちの何人かの作品は、オランジュリー美術館で開催される今回の特別展で展示されます。
さらに、印象派の素晴らしい作品を中心とするブリヂストン美術館のコレクションは、美術収集家が、西洋美術とフランス美術に深い造詣を持っていたことを表しています。この観点から見ると、一実業家が持っていた芸術への情熱から生まれた同コレクションの名作は、画商であり美術収集家であったポール・ギヨームの夢に、見事に呼応しています。ポール・ギヨームは、非常に早い段階で、自身が収集した作品を美術館で一般公開することを望みました。今日、オランジュリー美術館は、ふたつの大きなコレクションを所蔵しています。一つは、ヴァルテール=ギヨームコレクション、もう一つは、クロード・モネの《睡蓮》です。これは、複数の睡蓮の絵が連作として一つの作品を成し、壁面を飾っています。オランジュリー美術館を訪れる日本の皆様から大変愛されているこの連作は、第一次大戦の終戦の折に、平和の象徴として、モネからフランス共和国へと寄贈されたものです。この世界的にも類のないモネの連作は、それだけですでに、ジャポニスムの到達形態を具現しているといえるでしょう。この睡蓮の連作で絵画の究極の規範となったのは、モネがノルマンディー地方ジヴェルニーの自邸に作った水辺のある日本庭園でした。この度の特別展を開催することにより、オランジュリー美術館が称えようとするのは、かくも実り多く、かくも刺激的な日仏両国間の交流なのです。