開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」

2019.10.01

2020年1月18日(土)~3月31日(火)
公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館(館長 石橋 寛 )は、1952年に創設されたブリヂストン美術館を前身とし、2015年5月から建て替えのため長期休館していましたが、2019年7月の館名変更を経て2020 年1月18日(土)に開館します。旧美術館と同じ東京・京橋の地に、約2倍の展示面積と最新の設備を伴い、さらに古代美術、印象派、日本の近世美術、日本近代洋画、20世紀美術、そして現代美術まで視野を広げ、美術の多彩な楽しみを提供します。
開館記念展では全展示室を用い、約2,800点の石橋財団コレクションの中から初公開作品約30点を含む約200 点を選りすぐり、2部構成で紹介します。第1部「アートをひろげる」では、近代から現代に至る東西の名品を一つの地平に並べ、時間、空間を超えた美術の風景を一望します。第2部「アートをさぐる」では、7つのテーマからアートを掘り下げ、その歴史の奥底へと誘います。
ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》1924 年 (新収蔵作品)

本展の構成


美術館とは、「人間とはなにか」を、造形をとおして分かりやすく伝える装置です。数万年にわたる造形活動の連鎖が、現在や未来の私たちをつくっています。本展では、新収蔵作品約 30 点を含む選りすぐりの約 200 点を紹介し、古代から現代までの人間の輝かしい創造の軌跡をたどります。

第1部「アートをひろげる」

第2部「アートをさぐる」

①装飾 ②古典 ③原始 ④異界 ⑤聖俗 ⑥記録 ⑦幸福

見どころ


(1)新収蔵作品から約 30 点を初公開

石橋財団は美術館の休館中も積極的に作品収集に取り組み、コレクションの幅を広げています。本展では新収蔵作品の中から、モリゾ、カサット、ボッチョーニ、カンディンスキー、ジャコメッティ、松本竣介などを約30点を初公開します。

(2)コレクションへの新たな視点

「創造の体感」をテーマに、第 1 部では近現代美術を一望し、第 2 部では古今東西の美術を 7 つのテーマで掘り下げます。2 つの異なる視点により、ブリヂストン美術館を代表する作品として長らく愛されてきたモネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソなどのコレクションに新たな光を当てます。

(3)従来に無い鑑賞体験の提供

旧美術館の約 2 倍の展示面積と最新機能の設備に加え、開放的な空間を創出し、現代的であたたかみのあるデザインを採用しました。さらに日本古来の美術作品を展示するための部屋を新設し、古代から現代までの人間の創造の軌跡をたどります。

第 1 部 「アートをひろげる」

最初にご覧いただく6階の展示室では、当館が所蔵する近代から現代までの作品の精髄を選り抜きました。1870年代のマネの作品から2000年代のスーラージュまでの約140年間です。美術家たちによる果敢な実験や試行の連続によって、私たちの美術の概念が次々に拡大していった歴史です。それは決して直線的に進んだものではなく、時間と空間をとびこえて様々な関わり合いが見てとれます。一つの地平のなかに並べたからこそ見えてくる風景があるでしょう。
出品作家:
エドゥアール・マネ、 アンリ・ファンタン=ラトゥール、 ポール・セザンヌ、ピエール = オーギュスト・ルノワール、ヴァシリー・カンディンスキー、 青木繁、 マーク・ロスコ、ジャクソン・ポロック、 草間彌生ほか

マネ エドゥアール・マネ《自画像》 1878-79 年

ルノワール ピエール = オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876 年

セザンヌ ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06 年頃

ポロック ジャクソン・ポロック 《ナンバー 2、1951》1951 年

ブランクーシ コンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢 II》1925 年(2006年鋳造)(新収蔵作品 )

カサット メアリー・カサット《日光浴(浴後)》1901 年 (新収蔵作品 )

第 2 部 「アートをさぐる」

6階の展示室で水平に美術をご覧いただいたのち、杭を垂直に打ち込むように、7つの視点からアートを掘りさげてみたいと思います。アートの歴史に分け入り、私たちの心のなかにあるアートの核心に迫ります。

① 装 飾

人間の根源的な欲求に装飾があります。ヒトの最初の絵画はボディペインティングだった、と考える人たちもいます。それは今日の私たちが考える写実的な絵画ではなく、なにかしらの意味やメッセージを持つ文様だったのでしょう。人間はやがて身辺の器物、そして生活空間を装飾して楽しむようになります。機能を追究するだけでは人間は生きていけないと思われます。手の動きや営みが残す痕跡が様々な感情を生み出す力をもつことに、人間は古代から気づいていました。
出品作家:エミール・ガレ、 藤島武二、アンリ・マティス、 梅原龍三郎、 佐伯祐三ほか
アンリ・マティス《石膏のある静物》1927 年

② 古典

美術の営みのなかで、だれでもが納得できるような規範を突きつめたいという欲望が生まれてきます。ギリシア・ローマ時代につくられた筋道がその最も典型的なものでしょう。できあがった古典は、作品そのものによって、そして教育を通じて次の世代に受け継がれていきました。同時に、既存の規範を壊して新たな枠組みをつくりたいという願望も登場します。しかし、その壊そうとする営みも、古典があってこそ成り立つものです。現代でも、古典が果たす役割は小さくありません。
出品作家:ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル、
パブロ・ピカソ、アメデオ・モディリアーニ、藤田嗣治、安井曾太郎ほか
安井曾太郎《水浴裸婦》1914 年

③ 原 始

人間は、生物としての記憶を身体の中に深く刻み込んでいました。文字を持つ以前の記憶、そして 5,000 年前に文字を手にしてからの記録。美術の痕跡には、双方にまたがる記憶が現れています。ときに美術には荒々しい表現が噴出しますが、動物としての人間が持つ、本来的な、ぬぐい去れない特質が潜んでいるといえるでしょう。原始以来の人間の歴史がたたみ込んできた衝動が、古今東西を問わず、ときに噴出するのです。
出品作家:ポール・ゴーガン、 青木 繁、コンスタンティン・ブランクーシ、ヘンリー・ムア、柄澤 齊ほか
ポール・ゴーガン《ポン=タヴェン付近の風景》1888 年

④ 異 界

手の届く目の前の現実世界だけでは、人間は生きていけません。いまここにないもの、内面にしかないもの、空間や時間を超えて遠くにあるものをつかみ取って理解し、そしてそれを造形で表現しようとします。ときには文字ではなく造形でしか表すことができないものもあるでしょう。それは決して私たちに優しく語りかけてくるものばかりではなく、畏怖や憧憬、渇望が混じり合うものかも知れません。同時に美術以外の分野の芸術、文学や音楽などへの接近も見逃せません。
出品作家:オディロン・ルドン、 パウル・クレー、古賀春江、 浜口陽三、 ヴォルスほか
古賀春江《素朴な月夜》1929 年

⑤ 聖 俗

世界各地の、様々な時代の宗教美術に見られるように、人間の存在を超越した聖なるものを眼前に定着させたい、現実のなかから聖性を掘り起こして確認したいという願望は、人間に普遍的なものです。人間には聖なるものを希求する心が備わっています。また逆に、聖性と対蹠的な俗性に惹きつけられる性質も、ぬぐいがたく人間はもっています。そうした聖と俗が、実は自在に往き来するところに美術の面白さがあるでしょう。
出品作家:ジョルジュ・ルオー、パブロ・ピカソ、オシップ・ザツキン、ゲオルグ・グロス、アルベルト・ジャコメッティ、《洛中洛外図屏風》ほか
洛中1
洛中2

《洛中洛外図屏風》江戸時代(新収蔵作品)

⑥ 記 録

世界は渾沌としています。言語によって世界を分節化できるようになった人間は、同時にその分節化した世界をイメージとして定着させることに取り憑かれました。「世界」には、私たちの視覚の前に存在する世界も、あるいは私たちの内側にある世界もあります。あるいは外と内を往き来する部分もあります。私たちの生を支える社会の記録、時間の推移をともなう出来事の記録、あるいは、美術家自身の刻々と変化する内面世界の記録が、美術の大きな部分を占めています。
出品作家:ジャック・カロ、ベルト・モリゾ、 中村 彝、岸田劉生、 松本竣介ほか
ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》1872 年
(新収蔵作品)

⑦ 幸 福

過去に積み上げてきた美術作品の一つひとつが、私たちの生活を豊かに彩っています。私たちは美術作品から、人間が何を感じてきたのか、何をあらわそうとしてきたのかを感じとろうとします。いわば、生きる意味を探ろうとしているといってよいでしょう。そうした作品を、秩序だてた組合せや方法でみなさまに示している美術館は、人間がつくりだした最も先鋭的な仕組みです。美術作家と美術館が様々に協働してつくりあげる空間が、みなさまの生を支え励ますものになっています。
出品作家:メアリー・カサット、坂本繁二郎、
エミリー・カーム・ウンワリィ、 ピエール・スーラージュ、
ザオ・ウーキーほか
青木繁《わだつみのいろこの宮》1907 年 重要文化財
青木繁《わだつみのいろこの宮》1907 年 重要文化財
青木繁《わだつみのいろこの宮》1907 年 重要文化財

関連イベント


■ 土曜講座「アートの現場」

2020年1月18日~2月8日(全4回)

時間:14:00-15:30
場所 :3 階レクチャールーム 聴講無料

*当日は 12:00 からレクチャールーム前で整理券を配布します。定員になり次第、受付終了。
1月 18 日
「ブリヂストン美術館から、アーティゾン美術館へ」
石橋寬(アーティゾン美術館館長)
田畑多嘉司(同館クリエイティブディレクター)
1 月 25 日
「アートと人のための空間」
米谷ひろし(デザイナー、有限会社トネリコ代表、多摩美術大学教授)
2 月 1 日
「意識の発火 デザインからデザインまで」
廣村正彰(グラフィックデザイナー、廣村デザイン事務所代表)
2 月 8 日
「ホモ・ピクトル・ムジカーリス─描き音楽するヒト」
岩田誠(メディカルクリニック柿の木坂院長、東京女子医科大学名誉教授)

■ 学芸員によるギャラリートーク

毎月第1金曜日 18:30-19:30
第3金曜日 15:30-16:30
集合場所 6階展示室入口
参加費・申込み不要
*入場券が必要です。
*混雑状況により、3 階レクチャールームでの講座に変更、または中止する場合があります。

■ 音声ガイド

ご自分のスマートフォンとイヤフォンをお持ちください。アプリをダウンロードして音声ガイドを無料でお楽しみいただけます。声優の細谷佳正さんをナレーターに迎え、作品の背景や見どころをわかりやすく解説します。

アーティゾン美術館は日時指定の予約制です

当館ウェブサイトよりご来館前に「ウェブ予約チケット」をご購入いただけます。
入館料(税込)
入館料
*ウェブ予約チケット:各入館時間枠の終了 10 分前まで販売
*当日チケット:ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ販売
日時指定予約制とは

入館までの待ち時間の緩和、より快適な鑑賞環境をご提供するために、1日を以下の入館時間枠に区切り、その時間枠内にご入館頂きます。

❶10:00-11:30  ❷12:00-13:30  ❸14:00-15:30  ❹16:00-17:30
❺金曜日のみ 18:00-19:30(但し 3 月 20 日を除く)
●指定した時間枠内であれば、いつでもご入館頂けます。
●入館後は閉館まで時間制限なくご鑑賞頂けます。入替制ではありません。
●各時間枠の開始時刻直後は混雑が予想され、入館をお待ち頂く場合があります。
開始時刻から多少遅れてのご来館をおすすめします。
ウェブ予約チケット購入方法

●販売開始日 2019年11月1日[金]

当館ウェブサイトの中の「チケット購入」画面からご希望のご来館日と入館時間枠をご指定ください。
●当日でも各入館時間枠の終了 10 分前までご購入頂けます。
●各種クレジットカードがご利用頂けます。
https://www.artizon.museum
「ウェブ予約チケット」の受け取りおよび入館方法

❶チケットの購入が完了すると、ご指定のメールアドレスに URL を記載したメールが届きます。
❷この URL にアクセスすると QR コードを取得できます。
❸QR コードをお持ちのスマートフォンに表示してご入館ください。
QR コードを紙に印刷してご入館頂く事も可能です。
当日チケットについて

ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でもチケットを販売します。
予約について

*大学生・専門学校生・高校生は無料ですが、入館時間枠の予約が必要です。入館時に学生証または生徒手帳をご提示ください。
*中学生以下の方は無料です。なお、入館時間枠の予約は必要ありません。
*障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料ですが、入館時間枠の予約が必要です。入館時に障がい者手帳をご提示ください。
グループでのご来館について
中学生以下の方が 10 名以上で来館される場合は、事前に下記までご連絡ください。
ご連絡のない場合、展示室の混雑状況によってはご入館頂けない場合があります。
E-mail:groupdesk@artizon.jp
注意事項
*団体割引、シニア割引はございません。
*指定日時以外の入館はできません。
*営利目的でのチケット転売はお断りします。
アーティゾン美術館について。
株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎(1889-1976年)は1952年に東京・京橋に新築したブリヂストンビルの2階に美術館を開設し、自ら収集したコレクションを公開しました。また、1956年には美術館を恒久的な事業として育成発展させるため財団法人石橋財団を設立しました。以来、継続的な収集活動によってコレクションの充実を図るとともに、様々な展覧会や教育プログラムを行ってきました。2015年5月から建て替えのために長期休館していましたが、約 5 年の歳月を経てこのたびアーティゾン美術館という館名の下、新しい美術館として開館します。「ARTIZON」(アーティゾン)は、「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語で、時代を切り拓くアートの地平を多くの方に感じ取っていただきたい、という意志が込められています。
新しい美術館のコンセプトは「創造の体感」。古代美術、印象派、日本近世美術、日本近代洋画、20世紀美術、そして現代美術まで視野を広げます。アーティゾン美術館は、23階建て高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の低層階に位置し、展示室は4-6階の3フロア、面積にして旧美術館の約2倍に拡張され、最新の照明や空調設備を伴い、美術の多彩な楽しみを提供していきます。
開催概要

展覧会名 
開館記念展

「見えてくる光景 コレクションの現在地」


 
(英題:Inaugural Exhibition Emerging Artscape: The State of Our Collection)

主催   
公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館

会期   
2020年1月18日(土)~3月31日(火)

会 場   
石橋財団アーティゾン美術館( 〒104-0031 東京都中央区京橋 1-7-2 )

開館時間 
10:00~18:00(毎週金曜日は20:00まで / 但し3月20日を除く)
*入館は閉館の30分前まで

休館日   
月曜日(祝日にあたる2月24日は開館)、2月25日(火)

お問い合わせ
Tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)

交通案内
交通案内

JR 東京駅(八重洲中央口)、
東京メトロ銀座線・京橋駅(6 番、7番出口)、
東京メトロ・銀座線 / 東西線 / 都営浅草線・
日本橋駅(B1 出口)から徒歩 5 分

交通案内
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東京メトロ・銀座線 / 東西線 / 都営浅草線・
日本橋駅(B1 出口)から徒歩 5 分

プレス画像
最新のプレス画像は、下記サイトより申請、ダウンロードいただけます。
URL: https://www.artizon.museum/pressimage/?id=1093
本件のお問い合わせ
公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
広報担当:広報部 川瀬暁(広報部長)、松浦彩、小川めぐみ
[企画・構成:貝塚 健(教育普及部長)、島本英明(学芸員)、上田杏奈(学芸員)]
〒104-0031 東京都中央区京橋 1-7-2
Tel:03-3563-0241 Fax: 03-3561-2130
E-mail artizon-pr@artizon.jp

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